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スッチーだった頃 11

11.覚悟

マザーユウキが入社した頃の日本航空は、世界一安全な航空会社と言われていました。
外国のエアラインでは、飛行機事故が時々起こっていましたが、日本航空は、
自主運行を開始してから一度も事故を起こしていなかったからです。

それでも、飛行機事故は起こるとまず全員死亡するものだと思われていましたから、
スチュワーデスになると決めた時には、それなりの覚悟もしました。

脱出シュートを滑り降りる訓練で、マザーユウキは教官から
「お客様を助ければいいんだから、スチュワーデスは滑れなくていいよ」
と慰め?られましたが、実際、
「事故が起これば、お客様を助けて私は飛行機と共に死のう」なんて考えていました。

でも、そんな悲劇のスチュワーデス、実は脱出シュートが怖くて滑れなかったのだと
同期にバラされて、美談どころか笑い話になったりして・・・
なんて一人でオチを考えて笑っていましたけど。
訓練の時のあの恐怖の脱出シュート、マザーユウキもあの後ちゃんと滑りましたよ、
念のため。

当時から、確率的には飛行機は自動車より安全とか言われていましたが、
やはりフライトに出る時には、二度と戻れないかもしれないと
いつも考えて出かけていました。

もし、マザーユウキが飛行機事故に遭ったら、東京のアパートに
両親が荷物の整理にやってくる。
その時、「娘はこんなだらしない生活をしていたのか・・・」
なんて親を悲しませることがないようにと、部屋はきちんと片づけて
掃除をして出かけていました。
今でもその習性は残っています。

まだ20代前半でしたけど、頭の中のどこかでいつも死を覚悟していた。
大袈裟なようですけど、マザーユウキにとって、
スチュワーデスとはそんな仕事だったのです。
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プロフィール

平川裕貴

Author:平川裕貴
幼児教育研究家、キッズマナーコンサルタント、マナー講師、著述家、コラムライター、英語スクール経営者

出版物
『歌で覚える英会話 キッズソング1~3』(販売終了)
『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』(アマゾンにて販売中)
『5歳でも間に合う!わが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)全国の書店・ネットショップで好評販売中

ママ向けサイト『ハピママ』『KIDSNA』『IT Mama』で、しつけや英語に関するコラム記事執筆

英語学習者向けサイト『Cheer up English』で子育て英語記事執筆


元日本航空CA,外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年外国人講師による子どものための英語スクール『リリパット』を設立。
一時関西に英会話教室30教室以上を展開するが、阪神淡路大震災で被災し、規模縮小を余儀なくされる。
長年欧米文化に触れてきた経験と、震災後の長く苦しい体験から得た知恵も生かし、子ども達の長い人生を見据えた幼児教育に取り組み、現在3歳から6歳を対象とした『リトル・キンダー』という幼稚園型スクールを開校。
日々小さな子ども達に囲まれて、時には笑い転げ、時には雷を落とし、賑やかに楽しく過ごしています。

第2の人生の目標として、得てきた知恵や知識を伝えるべく、本業のスクール経営の傍ら執筆活動を開始しています。

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